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委任状
あなたは委任状ってご存じですか。もちろん知っておられますね。私はその委任状で、隣の市を管轄する警察と大喧嘩してきたんです。といっても会計課の事務員さんとですけどね。
私には孫が居ます。その一人次男の次男坊つまり小学校五年生の孫です。両親は離婚して母親は居ないので私たち夫婦が日常の世話をしています。連絡用にキッズ携帯を持たせてます。GPSがあり紐を引っ張ると警報がなるやつです。
いつも自分では充電もしないので、私が毎朝充電量を見て充電コードを繋ぎます。この二三日その携帯が見当たりません、本人に尋ねると自分でやっとくからと言うので放っておりました。可笑しいなと思ったのは、試しに私のスマホから孫の携帯にコールしても初めはなっていたのですが、家の中では鳴りません。終いに電源が入っておりませんのアナウンス。変だなと思っていました。
いつも父親が仕事の帰りに家内に今から帰るとの電話が入ります。そこで言われたのが、隣の市の警察に息子の携帯取りにいかないといけないと言われたらしい。そこでよく聞くと、一週間前に離婚した母親が来て、隣の市の大型ショッピングセンターに二人で行ったらしい。そこで父親がショッピングセンターに電話したら、それらしいキッズ携帯は有って、もうすでに所轄の警察に他の落とし物と一緒に遺失物届けをしてますとのことだった。充電ケーブルを持って行ったら返してもらえると思いますと言われたらしい。
息子は仕事が忙しくて9時から5時の間には行けないと言います。そこで私が行くことになりました。私は今は車が無いので自転車で往復二時間掛かります。
汗を垂らして行ってきました。署内の会計課の中に遺失物係りが有りました。用向きを伝えたところ、まず遺失物の照会書を書いてくれ、それから現物を確定してからですと言われた。そしたらボディの色が違うとか細かいことを言い出した、良く聞くと青色のゴムカバーをしていたから、私は色はブルーですと申告したら違いますとニベもない。ここでまずカチンと来ました。
すったもんだして、やっと充電ケーブルを渡し電源を回復させて、私のスマホから電話しました。画面におじいさんと表示されました。女の事務員はこれで確認はできました。だから委任状を持って来てくださいと言います。えっ又帰ってこいと言うの、この熱いのに二時間も掛けて取ってこいと言うのかと言う話ですわ。そこえ追い打ちを掛けるように、委任者に自筆でお願いしますと言う。なんでや私が代筆してもええやろと言うとダメです、同居の人間ならいいけどお爺さんは別居だから駄目ですと言う。
そこで私がその子は字がうまく書けないからと言うと、普通十才ならそのくらいは書けるでしょと言います。それは無いやろ字の書けない子も居るやろ。何でも自分達の基準でものを考える、委任状だって自分達のアリバイの為に取るだけで、厳密に言えば取ってきて、わかったの口約束で委任行為は成立するのに、後で自分達が不備を突っ込まれるのが嫌だから厳密にしようとするだけの話です。
それやったら、厳密にするのだったら携帯を確認するのに、私に掛けさせて番号も出ていないのにお爺さんの表示だけでオーケーしたのは何故ですかと聞くと、キッズ携帯だからそこまでしませんという。普通だったら、代理の方が取りに来たときは、ロックとか掛かっていた場合SIMカードの確認までしますとのことを言い出した。そしたら今回もそうしてくれと言うと、一週間掛かりますよ、電話会社にまとめて依頼を掛けますから。
もう腹が立ってきました。自分達は突っ込まれるのが嫌だから厳密にするけど一方は緩いんですね。所謂ダブルスタンダードですわ。自分の都合だけでことを処理しようと言うわけです。そりゃ犯罪者に逃げられて何日も捕まらんと言うようになるわな、どこの県警とは言いませんが。
結局、二時間掛けて孫に無理やり書かせて取りに行ってきました。同じようなことは良くあります。委任状なんて白紙に被委任者、委任者、委任用件、日付、押印位有れば良いのにわが社の書式でないと駄目ですと突き返されます。日付だって三ヶ月以内とかクレームを付けてきます。
要は権力者達は自分達の都合の言いようにものを言います。委任の要件を紙に記せば何でも神格化するとでも言うように、被委任者を海賊船の船長の息子に一国の開国を迫るような行為を任せます。今の大統領に合衆国が委任して無茶苦茶な要求を諸外国に突き付けるのと良く似ている。まるで絶大な力を背景に人を殺めるプレデターのように
東インド会社
作詞 つばめのす
地域の格差を富みに替えて
贅沢国家へと成り上がる列強達
私掠船の船長の息子が
国家の威信を得てやって来たペリー
貿易で得た富を軍事力に替えて
植民地を拡げていく
国に戻った資金はチューリップに
姿を替えて消えていく
帆船が蒸気船に 蒸気船が原子力船に
変わった今もかわらない
大洋に吹く風を電子の風に替え
ウェブの海原を我が物顔に突き進む
強大な軍事力に守られて得た富を
大衆にも国家にも戻さなく生きる
現代の東インド会社 その未来は
果てしなく暗い 大戦の香水を纏い
肥大していく
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