石狩平野

作詞

Contents

石狩湾と石狩平野

北海道に寂しさが有るとすれば、その開拓史の取っ掛かりが、旧幕府軍の敗戦とその兵達の受け皿として始まったことによる。明治2年に北海道開拓使が設置され、旧幕府軍の侍や貧しい農民達の受け入れと、北方の防備を兼ねて屯田兵を入植させた。当初札幌周辺とロシア人が出入りしていた根室周辺に偏っていた。

石狩平野は、寒冷地であるため土壌は泥炭地であった。泥炭とは寒冷であるために微生物が植物の分解を助けず、植物がそのまま炭化してしまうこと。当時開拓使は西洋式の畑作を目指したが思うように行かなかった。そこで農民達は今までやって来た稲作をしょうとしたが、寒すぎて上手く行かなかった。

周りの山地から土を入れる客土を行い、稲の品種改良を何回も行い、寒冷地でも育つ稲を開発していった。口では言い表せない血の出るような努力がそこには有った。今では日本有数の米生産地になっている。北は増毛山地、東は夕張山地に囲まれ、西に余市岳南に恵庭岳が控えている。その真ん中を石狩川が流れ素晴らしい景色が広がっている。南に勇払原野が続き苫小牧港に出会う。札幌苫小牧のラインは北海道経済的にとって大変重要な地域である。千歳には新千歳空港が存在する。

戊辰戦争の終焉を五稜郭で迎えた函館は遅い春を迎えていた。その後新政府は、札幌を拠点に北海道の開発を進めていった。戦争の端緒をはしょったのは、時の流れは開国に向かい旧幕府がどう抗おうと流れは止まらなかった。結局旧勢力は北方に押しやられてしまう。勝てば官軍の言葉通りだから、書くのを省略します。当時の日本の体制の大転換の落とし所を北海道が一手に引き受けた形になってしまった。そこに埋もれた悲しい物語は幾らも有ろう、でもそれは後の歴史家や物書きに任すとして筆者は、これからの石狩平野を書きたい。

積丹岬と雄冬岬を両袖に控えさせ広がる石狩湾、札幌から20キロメートルの至近距離に砂浜が続き海水浴客も多数来る。鮭、鰈、イカ、ホッケ、シャコ、海老、ソイなどが取れ漁業が盛んである。小樽の良港が直ぐ側にあり、毎日舞鶴、新潟からフェリーが到着し観光客を運んでくる。北広島市、恵庭市、千歳市に掛けて素晴らしいゴルフ場も数多くある。深川市を嘴としてたたずむ鳳凰のような石狩平野は雪の季節も花の季節も雄々しく羽ばたく。

牧草ロールが点在する夏の直線道路、冬は道路に吹き溜まりが出来、雪が降っていないのに風に吹かれて地吹雪が起こる。時に視界が真っ白な世界に覆われホワイトアウト現象が起こる。それでも空知から、夕張からもたらす川の水が平野を潤していく。

五十年前、学生時代に四人で三泊四日でゴルフツアーに行った。夏の7月、一日目は空港に着いてホテルにチェックインしてお仕舞い。夜に飯を食いに出て帰りタクシー降りたら皆半袖シャツだったからか、ガタガタ震え出したビルの温度計が8℃を示している。そんな馬鹿なと思ったが北海道ならあり得るのでした。

次の日は、一人しんどいから止めると言うので三人で札幌芙蓉カントリー倶楽部へプレーしに行った。その時は気にならなかったけど、今地図を見ると今度の地震で大変な被害を受けられた清田区の直ぐ側だった。一日も早い回復を願わずにいられません。

その日は、私たち三人と一人単独で入ってこられた紳士と一緒に回ることになった。シングルの方で色々、初心者の私達に教えて下さった。昼飯を一緒に食べてる時に、札幌ゴルフ倶楽部輪厚コースを回ったことが有るかと訪ねられたので、無いですと答えると、それなら明日回れるようにしてあげると仰って下さった。

次の日四人で輪厚コースのフロントに行くと、もうその方も来られていて、フロントの人にこの四人を頼むと一事言われて帰って行かれた。よっぽどの人だったんだなと今は思う、名門コースを何処の馬乗り骨かもわからない学生をメンバー同伴も無しに一言で回せるなんてかなり力がないと出来ないことです。

コースはANAオープンで見る通り素晴らしいロケーションでした。17番のロングなんかプロの真似をしてショートカットを狙いえらい目に有ったものでした。その時は名前も聞かず連絡先も確認してなかったので、御礼の言いようも有りませんでした。もしその時お礼に行っていたら、妙齢のお孫さんにお会いして札幌の名家に婿入りしてたかもしれないなと妄想に耽ることも有ります。

今度は大型二輪免許を取得し、フェリーで小樽に行き石狩平野をバイクでツーリングしたいものです。

 

石狩平野

作詞 つばめのす

石狩平野に 足跡が続く
南から 埃に乗って
飛んで来た 心が一つ
大地の隙間に咲いた心が一つ
二つ 並んで 歩いている

あなたは 何処かの 風来草
いつ 何処に行くかも わからない
私は 優しい 地の女
一緒に 居られる年月は
そんなに 長くない気がする
それでいいの 男と女の心は
風で 縺れて 風に散る

強がり言っても 所詮女
あなたの瞳が 遠くを見る夜は
胸が詰まって 苦しいの
行くなら言って 覚悟するから
でも 明日の朝は嫌
せめて
雪が 降るときまでは

雪にまみれて 転がる心
あなたの後を 追いかける
吹雪に閉ざされ 動けぬ心
あなたの後を ついて行きたい

 

この作品の著作権は作詞者に帰属します

タイトルとURLをコピーしました