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ガレットとデート
良くお参りに行くと、願を掛けると言います。彼女と二人でお参りに行ったのに、二股を掛けられていたと言うお話。
ガレットは、フランス北西部の地方で食されるそば粉を水と塩で溶いて鉄板の上に薄く丸くこてで伸ばし、チーズや野菜や卵を載せて最後は正方形に端を折り畳みかりっと焼き上げる。その昔、その地方は小麦があまり採れなかったのでイスラム圏からそばを持ってきて植えると良く育ったのでそば粉を使うようになったなったらしい。
今や医者もセカンド・オピニオンが当たり前の時代、愛にもセカンド・ラブが有っても可笑しくない。セカンド・ラブを愛情の薄さと取るか、自己防衛として認めるべきなのか。
この人と上手く行かなかったら、次はあの人ととサブマテリアルを用意するのはいけないのかな。卑怯なのかな。それは個人の自由の範疇で有って相手に攻められるものでもないと思う。特攻的愛が素晴らしくて、打算的愛が悪いのか。
時期が被るから駄目なのか、エクセルの枠のように綺麗にずれていればOKなのか。それだったら時期だけの問題であろう。同時進行が駄目なだけで、時期をずらせばノープロブレム。
愛なんてそんなに不確かなもの、二本立ての映画を同じ時間に同じスクリーンに映せばクチャクチャになる。でも十分のトイレタイムを取れば上映可能となる。そのぐらいの物と捉えておけば大丈夫です。口で言うのは容易いですが心の傷は又別のもの。特に男は愛を美化しやすい。場末の映画と思えば納得出来るでしょう。
あの日食べたガレットは旨かった。でもあなたの口元は笑っていなかった。愛なんてそんなもの、あとで気付けばそうだったって言うことはいくらでもある。気付かなかった俺が馬鹿なのだ。招待状が来るのはましな方だ、さよならの言葉さえ無いことだって有る。
女が良くやる手口で、愛の罫線をわざと外して同じ枠の中で考えるやつ、男に取っては屈辱的な事なのに。
愛にサンプルなんて無いんだよね。お試しとかも。探せば自分の好みや愛情の合う女の人は必ず居ると思う。でもそれが遠くの離れた行と列にいる人なら出会うことすら出来ない。それを無理矢理一つずつ潰して行けば犯罪にすらなる。お金が有るからと言って、手当たり次第行けばトラブルにもなる。
だから女性が好む自然発生的な恋愛が求められる。でもそんなに上手くいかない。だから男女の出会いの少ない人が結婚相談所に行ったり、お見合いをするのはとても良いことだと思う。何も運命的な出会いが良い結果を生むとは限らない。むしろ悲惨な結末を迎える例なんて幾らでも有る。運命的と思うのは、半分は本人の錯覚だから、冷静に会って静かにお付き合いするのも有りだと思う。
この世の中何も美男美女ばかりで、放って置いても恋愛が発生しやすい人ばかりではない。性格的にも奥手の人もいれば恥ずかしがりな人も多い。また職場的に出会いの少ない業種なんて幾らでもある。お付き合いしたいでも結婚まではと言う人も居るだろう。一概に出会いサイトがいけないとは言いきれない面もある。でもそれは、出会った二人が決めれば良いことだと思う。要は出会いの切っ掛けさえ無い人がたくさんいる。
大体世の中に出回ってる恋愛標準は上級者に合わせた物ばかりが目立つ。恋愛が下手な人も居ると思うし、そのぐらいの時間も無い人達もいる。愛なんて一人では出来ない。一人でするのは片思いで有って、あくまでも思いでしかない。両手を取り合って微かな囲いを拵えてそこで愛を育てるしか無い。それを片手を放して他の人の手を繋ぐなんて愛が溢れるのは火を見るより明らかだ。上で打算的な愛も有ると書いたが、それはあくまでも打算的なんて愛しか手に入らないと言うことに繋がる。
自分は傷付きたくないでも愛は欲しい。どこかでしっぺ返しが来るでしょう。ガレットを食べて映画を見てそれから何処へ行くのかは二人次第。愛に自己犠牲が伴うのは自然な事、それを越えていけると判断するから成り立つ行為で有ってこそ尊いと思う。
ガレットとクレープはよく似ているけど、材料も一方はそば粉もうひとつは小麦粉、それにクレープは両面を焼くけどガレットは片面を焼くだけ。でもどちらも薄い皮を焼き上げ具材を包み込む。愛も一緒、薄い皮で包んで破れないように育てて行くのが愛。中に入れる材料は二人で決めて、美味しくなるも不味くなるも二人次第こんなに楽しいことは無いです。
ガレット
作詞 つばめのす
クレープよりガレットが
好きだった貴方
ナイフとフォークを使って上品に食べる
貴方を見ていると飽きなかった
何をしゃべったのか何を着ていたのかは
思い出せないけれど
輝く瞳と艶かしい唇は忘れられない
二人で法善寺さんにお参りにいった
帰りだった
何をお願いしたの
内緒
二人の仲はずっと続くと思っていた
雪が降ってきた
年が明けて暫くすると一通の招待状が届いた
貴方からだった
私は部屋を飛び出した そんなはずはない
何かの間違いだ
貴方は知らない男と話していた
見たこともない笑顔で
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