恋は坂に似ている。いつかしら林檎が転がって来て、何気なく拾い上げる。暫くは手にとって翳してみたり透かしてみたり、何かの拍子に手から滑り落ちて、コロコロ転がって離れて行く。慌てて追いかけようとしても、足は動かぬ夢の中。
したいしたいと思っても、出来ないのが恋。本当に何にも思ってないのに、不意に襲ってくる。恋かな何なのかなと思っている間に嵌まってしまってる。もう抜き差しならぬ地獄坂。それでも長く続かないのが恋と坂、だらだら行くか急に行くかの違いはあっても、あなたと行ける内が江戸の花。
江戸は八百八町と言われていた。一町に一つの坂が有ることになる、とすると毎日、八百の恋が生まれ八百の別れが坂を転がっていく。そんなものか、東京の出生率が1.29らしいから1350万人掛ける1.29だと17万人位だから。恋をしたら一人産まれるとは限らないから当たらずとも遠からずと言うことにしておいてください。だらだらと書きましたが、お後が宜しいようで。
東京坂 作詞 つばめのす
東京には八百もの坂がある
男坂 女坂 あなたと出会った神楽坂
あなたと別れたスペイン坂
あの頃の暮らしは胸突坂だった
二人で見た夕焼け坂も
春の日に手を繋ぐさくら坂も
いつしか忍び寄る幽霊坂
泣いてあなたに 尋ねた夜の三日月坂
あなたは拗ねてビール坂
だらだら続く暗闇坂が怖かった
それでも耐える忍坂
有り難うあなたと暮らした三年坂
涙を拭いてもう一度化粧坂
明日の朝旅に出ます
風に吹かれてポプラ坂
さよならいつか東京坂よ
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