食器用洗剤

作詞

結婚して四十年が過ぎました。何とかやって来れたのは家内のお陰がかなり有るようです。もう両親も見送ることも出来何とか仲良くやってます。と言うのも結婚してからずっと同居してましたので、家内にはかなり負担をかけたのではないでしょうか。

うちは大分世間の常識から離れ変わってましたので、私は一つだけ決心しました。嫁は一人でこの家に来たのだから、誰も味方がいないので何が有っても家内の側に立とうと決めました。うちの母親はかなり気がきつかったので家内も大変でした。私が嫁の味方をするものだから、私と母親とは死ぬまで仲が悪かったです。

男の子三人を育て、三度のご飯を作り大人数の世話をするのは並大抵のことやないと思います。だから私も出来るだけ家事の手伝いをしました。といっても会社から帰るのがかなり遅かったので大したことは出来なかったと思います。料理も大抵のことは出来ます。

この話を馴染みの寿司屋のカウンターの端に座って、大将にとうとうと喋っていると、向こうの端の方から「私、内の旦那台所に一歩も入れたことない。そんなん大嫌いや」。カチンと来てそちらを見ると、私と同じ位のおばはんが酒呑みながら偉そうに喋っている。

初めはかなり腹が立ったが、良く考えてみるとそれぞれの家庭の事情がありそれぞれの夫婦の関係性も有るから一概に言えんなと思った。どちらが偉いやどちらが駄目やと言う話ではなくて、どちらにも理が有るんやなと思われてきた。

人の表だけ見て判断すると碌なこと無いって、散々経験さして貰ってるのに俺も未々やなと思った。でもお互い人の裏の気持ちも考えてやらんといかんわな、おばはんと思いながら「大将、タコ握って」と注文した

 

食器用洗剤    作詞 つばめのす

会社帰りの電車の中
私は泣いてます
課長に怒られ 客にけなされ
おまけに彼からメール

付き合いで遅くなる
十三夜月を見てまた泣いてます
歪んだ心を写すよう

一人で野菜を洗ってる
二人で食べる筈だったサラダ用
食器用洗剤で洗ってる
嫌な気分も洗い流そう

帰りの電車の中で 主婦が
うちの姑 食器用洗剤で野菜洗ってる
勝ち誇ったように 眉をひそめてた

裏返して用途を見る
野菜も果物もOK 裏まで読んでね
人の心の裏側まで
世間の皆様 課長様
ついでにバカ彼氏様

 

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