大阪の女

作詞

大阪には、色んな国から働きに来ている人がいる。勿論女性もいる。韓国、中国、ロシア、フィリピンそれこそ万国博覧会が開ける。それなりに苦労があり、事情が重なる。労働VISA 借金家族関係それらが彼女達の肩に載し掛かる。

そんな中の一人と付き合ったことがある。10年ビザの関係で行ったり来たりして三十を過ぎた女だった。勿論結婚などしてない。いわゆるイミテーションビザと呼ばれる結婚ビザも有るけど、金が掛かる。今の相場は知らないけれど、当時180万位だった。その上審査期間の間は、一緒に住んでいるところを見せなければいけない。歯ブラシも下着も靴も背広まで用意すると言う。

だからその女は、そこまでしたくないし、めんどくさいと言っていた。だからいつ入管で止められるか毎回ビクビクしていた。入管とは、入国管理局のことだ。空港で止められると身元引き受け人が入管に電話して早く出せと催促しないと、なかなか入国待ち合い室の最後ドアは開かない。

そんな女たちは、早くに来ている姉さんの家に、家と言ってもマンションの部屋だが、そこに転がり込んでその晩から大抵仕事を始める。ミナミのその手のクラブは、殆ど就労ビザのない留学生や3ヶ月ビザいわゆる観光ビザの女達だ。その他は、結婚ビザの女たち。

あまりに酷いと、と言うより流行ってる店は所謂妬みによるちんころ、つまり密告によって入管のガサ入れがある。勿論突然だから、女たちは慌てふためく。ロッカー室に逃げ込んだり、同伴してる女は客の男の連れだと言う体でハンドバッグを、マネージャーに取りに行かせたりしている。

それでも国でいるよりも何十倍稼げるから、捕まってもまた懲りずに働きに来る。10年位前から指紋情報提供が義務化されたから再入国は難しくなっている。でも中には指紋を変えて入ってくる強者もいるらしい。その方法は詳しくは言えない。

そんな中で、何年か付き合ったけれど時間的にも経済的にも苦しくなる。でも人の人情はそんな中でも暖かさも優しさも変わらない。でも酒を飲むとかなり人の変わる女だった。もう会うことも無いだろう

大阪の女    作詞 つばめのす

大阪ミナミの道頓堀の
ベンチに腰掛け見詰めている
色を無くした汚い水を
手にはコーヒーの紙コップ
7時に客と待ち合わせ
食事して 店に出る

どこで道が別れたのか
いけば行くほど戻れない
遠い異国の空の下
午前零時の三ッ寺筋
ハイヒールの靴先が
バンスに縛られ 動けない

好きになったあの人と
お店終りのつるとんたん
咲けば咲くほど儚い恋は
私の心に棘をさす
苦いお酒で流しましょう

馴らしの車が待っている
堺筋の角までは 一緒に歩いて行けるのに
そこであなたは帰る 知らない街に
別れの話しはしないでね

 

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