風の鳴る海峡

作詞

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津軽海峡フェリー

現在本州から北海道函館に行くには飛行機新幹線フェリーと有るが、青森函館に限るとフェリーが一番コストパフォーマンスが良いみたい。青森港から3時間40分、大間から90分。

ちなみに新青森-新北斗函館は1時間1分それと料金を掛けるとさぼど差はない。後はとれが一番旅情を誘うかぐらいである。

大阪から大間へ行くとしたら、函館空港に行きタクシーで函館港フェリーで大間と言うのが一番早くて楽で有ろう。どちらにしても一同行ってみたいものです。

函館の湯の川温泉のホテルに泊まり、部屋の窓辺から深夜海を眺めると遠くにちらちら町の灯りが見える。恐らく大間の町明かりだと思われる。そこそこに旅情を誘われる。

片道1時間半なら恋愛も出来そうだけど、かなり切ないものに成りそうだ。

男は大型バイクを係員がデッキに縛り付けるのを確認すると上甲板に上がって行った。バイクはヤマハMT10SP、倒立フロントショックのゴールドアルマイトの輝きが気に入っている。趣味は殆どバイクだけ、酒も殆どやらない。

午前9時半大々時刻表通りに出港した函館山が朝の光に照らされ綺麗に浮かび上がる。今日は穏やかな航程に成りそうだ。言っても90分で着く。

定刻通り11時に着岸、バイクの下船を待つ間どうしょうか考える。もうすぐ昼だし先に腹ごしらえしていこうか。順番が来たので降りていく。ターミナルの広場に出るとレストランの登りが目につく。フェリー会社の建物の二階らしい。名前が海峡日和、階段を上がっていくと見晴らしの良い一角にレストランはあった。ちょうどボーディングブリッジの入り口の横にある。おすすめの海峡日和定食にする、980円で中々豪華だった。男はスマホで写真を撮った。

男は函館に住みIT関係の記事を書いたり趣味のバイクのツーリングなどの記事を書くフリーライターだった。いつもは道内の記事を書いていたが今回は少し方向を変えて津軽海峡フェリーを使って旅情豊かな短編でも書こうかなと思い立った。と言っても一日で回れる行程だ。

恐山を見てむつ市に入り南下して十和田市から十和田湖を半周して大鰐に出て、東北自動車道に乗って青森に着く。そして津軽海峡フェリーターミナルから22時25分の船に乗ろうと思う。いわゆる津軽海峡ロードと呼んでる航路である。

一人の女の子が「お水のお代わりはいかがですか」と聞いてきた。さっきは気付かなかったががっちりとした体格の可愛い子だった。有り難うとお礼を言いお代わりを貰った。その時はそのまま出ていった。

恐山は聞いていた通り火山性ガスの臭いがして光景と相まってそこそこの雰囲気を漂わせていた。あの世を彷彿とさせるに十分なロケーションだった。

野辺地町を左折して十和田市に入る、もう午後三時だ先を急ごう。奥入瀬に沿って102号線を行く。子ノ口で十和田湖に対面する。神秘の湖、ロマンの湖幾らでも形容できる。湖面を右手に見ながらスロットルを絞る。

大鰐に近付いて来た。道沿いの焼き肉店に入る。一人焼き肉でも快く店主は迎えてくれた。年輩のご主人の話を聞きながら美味しい肉を十分にいただく。締めに頂いたカレーライスが絶品だった。店を出ると高速に乗る。青森港最終の22時25分のブルーハピネスに乗るために、最終と言ってもすぐ午前2時過ぎに次の便がある。でもそこは気のものである。人間24時を基準に動くことを習慣付けられているから仕方がない。

どうにか間に合って乗り込む津軽海峡フェリー最終便。真っ暗な海を進んでいく。三時間四十分の船旅。今日の取材の整理をしていると一枚の写真がノートパソコンにアップされた。そこには昼間食事したレストランのあの子の顔が有った。中々の美人だ。又会いたいなの思いが込み上げてくる。時計を見ると午前1時を過ぎた頃だった。男はふと思ったそうだ今デッキに行けば大間の灯りが見えるのではないか。整理もそこそこに甲板に出る。船の右手にちらちらと町の灯りが見える、今頃はもう寝てるだろう。航路からすると15キロ位離れているだろう。おやすみ。

後から分かったことだけと、女の子は漁師の一人娘で繁忙期には船に乗って親父の手伝いをしている。だから中途半端な気持ちでは対抗出来ないのを思い知らされた。

風の鳴る海峡

作詞 つばめのす

あなたにに会いたくてここまで来たわ
昨日までいたと言うこの町に
あなたの乗ったフェリーが見えるかと
この岬にやって来たけれど
白い波が騒ぐだけ

あなたの残したものはこの強い風だけ
私の胸の中を悲しく吹き抜ける
遠くに見える陸地も今は涙に霞む
この岬にやって来たけれど
風の音が鳴るだけ

北の大地まであなたを追いかけ
渡る勇気はまだ無いの
あなたがこの私の鳴く声を
何処かで聞いた気がするなら
戻ってきてこの私の胸に

女の心はちょっとやそっとで壊れ無い
風よ吹きなさい 大地よ震えなさい
このコートが脱げるほど
あなたに上げると決めたこの命
風の鳴る海峡に捨てていく

 

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