屯鶴峰(どんづるぼう)

作詞

人は何らかの理由で離れていきます。愛した人、憧れた人、一緒に働いてた人、人は何らかの事情で別れていきます。今はもう呼んでも帰らない、焦がれてもこたえてくれない。切ない思いが時を呼び戻そうとしても叶いません。

道は時として人生に例えられます。一緒に走った高速道路、一緒に歩いた通学路、一緒に歩いた海辺、それらがガラス越しに蘇ってきます。家の窓のガラス、車の窓のガラス、ジェットの窓のガラスに映る景色、それは並行して走ってるだけで決して交わろうとしません。

別れた理由は悪くとも、悲しくとも時が経てば許せる時間が癒して呉れます。一緒に居たときの思い出はいつかどこかの窓から覗けます。

今はもう居ないのですが、うちの会社にいた若い子が、「社長どんづるぼうって知ってますか。地の底が見える所です」と西名阪をゴルフの帰りに通っている時突然尋ねた来たのです。知らなかったから帰って調べてみると、鍾乳洞で大阪と奈良の境に有りました。石灰質で出来てる為遠くから見ると、白い鶴が群れているように見えるからその名前が付いたそうです。

その子は、後で分かったのですが会社に不義理な事をして止めて行ったみたいなのですが、今はそれも許せる思いです。この道を通る度に思い出します。

 

屯鶴峰(どんづるぼう)

貴女は空から降りてきた
突然私の前に さりげなく
片足を上げて 私を誘うように

この道を走る度に オプティカルイリュージョン
遠くへ行ってしまった貴女が
一緒に走ってくれてると言う

この世界が苦しい 何もかもが消えていく
群れを成して飛んでいくクレーン
空のかなたへ 貴女のいる世界へ

私も付いて行きたい
私が愛した人たちがいる峰へ
雨が降って来た オートワイパーが
私を引き戻す まだ早い
もう少しこの道を走っていこう

 

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