どくだみの花

作詞

Contents

男と女の体臭

花の匂いは芳しいけど本当の匂いはわからない、花びらを指で潰せば又違う匂いがするでしょう。八朔も爪で傷を付けなければ本当の匂いはわからない。男も女も抱き合うだけでは本当の匂いが分からない。お互い傷つけあって相手の体臭が嗅ぎ取れる。

ベッドに入って寝るだけでは分かり合えない。相手の嫌がること、喧嘩をしたり別れたり色々触れ合って初めて相手の本心が見えてくる。男に取って女は永遠的の満天の星手を伸ばしても届かない、甘い香りをオーロラのように撒き散らし、でも遠くで眺めているしかない存在です。

茶畑で一人茶を摘む君がいる、遠くにいても茶の香りとともにあなたの薫りを感じれる。でもそれは本当の貴女の匂いじゃ無いのは分かっている。本当の貴女の匂いを嗅ぐのか怖いから近付けない。

私以外の男に貴女が興味を持っているのは知っている。むしろ抱かれてもいいと思ってることも知っている。このどうしようもない嫉妬が私を掻き立てる、私の胸を苦しめる。でも貴女が他の男と酒を飲みに行くことを阻止出来ない。貴女が今夜その男に抱かれるのを薄々気付いていても、どろつとした情念が脳幹から脊椎を通して下半身まで激しく貫く。射精しそうになるだけである。情けない男である。

私には貴女を惹き付ける引力はないか、例えお金があっても、やがてそれが尽きると貴女は私から離れていくだろう。過去の女がそうであったように。二枚の薄紙が風に押されてたまに触れ合う程度の仲だからそれ以下でもそれ以上でもない儚い貴女と私。でもそれでもいい、話位出来るのだから。貴女が気が向けば、手くらい握ってくれるだろう。

愛って何だろう。裏切られても許す心が残る、騙されても別に悔しくない側に居てくれるなら我慢できる。それは愛と言えるのだろうか。私は今までそんな愛しか持っていなかった。愛してくれるから愛する、そんな情けない愛なんて感じたことはない。いつも一途に愛した。見返りなんて求めたことはない、時々抱かせてくれればそれで良かった。ピアニシッモの愛でも伝わると思っていたから、私の心は変わらないと自信があったから。

でも貴女は離れていった、貴女が先に立ち去って行った、言葉も残さず。拝金主義の女は一ヵ所に留まらない花から花へ蜜を求めて動いていく。それでもそれは彼女の価値を下げるものではない。元々女なんてそんなものだから。勝手に男が女の価値を持ち上げているだけであって女の本質には関係しない。

愛は何時から存在したのだろうか。子孫を残すための絶対必要条件とはとても思えない。親同士の愛は子供にとって望ましい事では有るけど、絶対必要とはいえ言えない。愛の無いカップルから産まれた子供も沢山いるだろう。欲望だけで引っ付く二人もいるだろう。欲望も愛の形と言えるのだろうか。彼女が欲しいという私の感情と彼女の本質は全然関係の無いものだからそれを結びつけて固定してしまうと無理が生じてくる。所有欲や独占欲は二人を結び付ける力には役立たない。二人が本当にお互いの側に居たいと思わない限りカップルは成り立たない。お金はどちらかに有る打ちは惹き付ける要件になるけど、両方の手に入ると反発の要件になる危険性を含んでいる。セレブの離婚率は多分高いであろう。

二人を引き合わせている時間なんて無限ではない。お金の切れ目が二人の切れ目なんて嫌と言うほど見てきた。ガムが甘く無くなってきたら口から放り出すように恋人を変えていく。それも素晴らしい生き方ではないか。何も倫理が二人を惹き付ける訳では無いのでそれもありだろう。お金で縛り付けて置くのか、結婚制度で括っておくのかは二人で決めればいい。カトリックのように教会がそれを決めると言うのはどうかとも思う。愛は神に誓うものだろうかそれほど神聖で大切なものかさえ不確かなのに。神への忠誠心と比較する位重いものか。そんな面倒くさいことはしなくても良いと思う。好きになれば好きになり、飽きてくれば別れればいい。

お互いいい匂いと思える内は激しく愛し合い、そうでなくなると別れてしまえばいい。それを許すのは二人だけなのだから、お互いの体臭が好きで有ればいい。出来るだけ末長く、そんなカップルも多くいるのだから。

 

どくだみの花

作詞 つばめのす

どくだみの茎をちぎった事が有りますか
鼻につんと来る痺れるような苦い香り
そんな例えがぴったりの女でした

キャリーバッグ一つで男の元へ走ったのが
三年前 アパートの前で手を千切って行った
その姿が最後だった 部屋には何も残さず
思い出一つさえ

そんな女が昨日帰ってきた 夜遅く
俺の食べ残した皿を貪るように食って
何も言わずにベッドに潜り込んだ
朝方女が抱きついてきた
口を合わせると どくだみの味がした

又暫くすると出ていくのだろう
男がいないと生きていけない女だから
アパートの日陰に張り付くどくだみ
いくつかの春を越えて又咲くのだろう
どくだみの花

どくだみの茎をちぎった事が有りますか
鼻につんと来る痺れるような苦い香り
そんな例えがぴったりの女でした

居ない間に一度だけ電話があった
あんただけやね 私の事思ってくれていたのは
と言っていた 恐らく酒を飲んでいたんだろう

どくだみの茎をちぎった事が有りますか
鼻につんと来る痺れるような苦い香り
そんな例えがぴったりの女でした

 

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