厚底サンダル

作詞

夏の暑い昼下りキャリーバッグを引く女性に会った。あれさっきもいたな、どうしてだろう。駅の方から反対にあるいていく。何処かからのかえりなのか。焼き付ける太陽光に炙られながら考える、あ そうかお盆帰りだ。普通は十三日からの休みが多いけど今年は十三日が月曜日だから、良いところの会社は土曜日からお盆休みだ。

そういえば何処か垢抜けていたな、この辺ではあまり見かけない娘やったな。妄想が始まる、何もこんな辺鄙などこ帰ってこんでも、東京で休日過ごした方がなんぼかええやろに。東京帰りと決め込んでいる。

やっぱりいくら遠くても、そこが素晴らしい所でも実家が良いのかな。家を遠く離れて住んだことの無い私には分かりません。あの年格好からしたら三十前後、私が四十歳頃生まれたのかな、あの頃家は子供達が登校拒否でバタバタやったな。色んな感傷が交差する。

人の日常なんて、なんて緻密に組み立てられ複雑に重なってるのだろう。あの女性にも人生があり東京の人と結婚して遠い町で子供を作り新しい暮らしが待ってるんだろうな。あの人の子供が大きくなる頃には、私はこの世に居なくなっている。

袖ふれ合う人にも色んなじんせいがあり、それらが集まり重なり素晴らしい社会が形成されていく。各人に幸せがありますように。

 

厚底サンダル

作詞 つばめのす

スマホを手に持ち 俯いて歩く君
細く白いうなじ 髪止めバンドでくくった
短い髪 三十なのに 少女のような姿
僕の心を ときめかす

肩にショルダーバッグ
太いボーダー デニムブルーワイドパンツ
厚底サンダルが 弾んで
僕の心を 誘ってる

君を遠くから 見つめるだけ
恋と言うには 見当違い
美しい君を 見れるだけで
幸せになれる シュールな時間
午後の陽射しが 君の肩に降り注ぐ

 

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