トーキヨーホテル

作詞

私は東京が嫌いです、嫌いと言うより苦手です。何と言っても日本の中では圧倒的にパワーを持った、所謂パワースポットです。夢を叶えてくれたり情報を与えてくれたり娯楽もスポーツもあらゆるものの発信源だ。

メディアに取り上げられるのはそこで成功した人たち有名になったスターたち、テレビに出てくるのは権力に媚びた或いはイデオロギーさえ変換した人たちだ、そうでないと一日で弾き出される。

そんな恨みつらみが有って毛嫌いしている地方人も多いと思う。言って見れば世界中の憧れであるニューヨークと同じである。興味が有るけど訳もなく嫌いと言う変な感情、行きたいけれど足がすくむと言うジレンマ。表現がしにくい。

東京に対してもこんな感情を持った日本人は多いと思う。アンチ巨人じゃなくアンチ東京だ。良く私も東京のことを書くけど大して知りもしなくてただ外から垣間見てあれこれ書いている。気になる女の事を遠くから見てあれこれ考えたり噂を聞いてやきもきするようなものだ。

でも東京で成功する或いは暮らしていけると言う人の数の何倍もの人が、大東京に負けたり打ちのめされて故郷に帰っていくのだろう。そんな人たちを慰め癒して呉れる場所が有ってもいいと思う。名付けてトーキヨーホテル

 

トーキヨーホテル

作詞 つばめのす

甘く切ないブルースが
今日もホールに流れてる
流れミュージシャンの吹くサックス
男が一人涙する

東京の何処かの安ホテル
故郷を捨てた男たちがやって来る
自動販売機が作り出す孤独の24H
生きる軋みをなだめるように
シーリングファンが空気を混ぜる

幾度打ちのめされて逃げ帰っても
暫しの休息の後立ち上がる
巨大なものに立ち向かう俺は
端から見ればさぞ滑稽だろう

一線を越えろ さもなくば
リビングでキーボードでも叩いてろ
このトーキヨーの繁栄に呑み込まれた
俺だって 息をしている 故郷に帰れば
ドルシネーアが待っている

 

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