水筒 | 燕の巣の有る家

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無駄なこと
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無駄なこと

この世に無駄なことは何一つ有りません。とよく言われますが本当にそうでしょうか。では苦しみや悲しみ、不幸せや絶望もそうでしょうか。そんな境遇に放り込まれてもそう思えるでしょうか。じくじくと痛む歯痛など二度と御免と思いますよね。でもどこかで必要なんでしょう。失恋の苦しみなんて何年も引きずりますよね。それでも必要なんでしょうか。

話は変わりますが、息をする時健康であれば抵抗を感じませんよね。口を手でふさがれたり、首を絞められない限り地球上では自由に息が出来ます。カラオケでボイトレする場合に「あえいおう」って簡単に発声できます。多分それがなかなか歌が上達しない原因と思うようになりました。何故かと言うと普通に息をするように発声してても何処にも負荷がかかりません。掛かるとしたら首を絞められたような声だけです。ひょっとしたらこの声締めも長い目でみると上達の助けになっているかもしれません。まず普通に歌うだけでは負荷が掛かりません。運動部の高校生などは毎朝グラウンドの隅で筋トレやってます。あれなど無理矢理負荷を掛けているようなものです。歌の場合もある程度の負荷を肺や声帯に掛けたほうがいいかもしれません。いい方法があるのですがここでは言いません。また別の機会に成果と共に発表したいとおもいます。

生きていく上に於いても、きっと嫌なことや苦しいことも多少は必要なのでしょう。三日月に向かっ「願わくば、我に七難八苦を与え給え」と祈る山中鹿之助ほどでは無いですが多少の苦しみは成功には必要なのでしょう。大きな苦しみは、排除するのに非常な力を必要とします。でも摺動抵抗のように少しでも動いてる抵抗なら何とか交わして行くことができます。つまりそれを利用していきます。嫌なこと苦しいことは、成功への養分と割り切ってどんどん活用して行きましょう。

ボイトレでよく欠伸をするような口で息を出して下さいと言いますが、あれで歌うとボーとした声しか出ません。それではあまり面白く有りません。やはり多少なりとも緊張した声が欲しいです。リップロールとかエッヂボイスとかはそれを目指していると思います。何事も多少の抵抗と苦しみが有った方が得られるものも充実してくるのではないないでしょうか。ボーと生きるのもありですが、少し緊張した人生も魅力的です。

そんな人生でついてくるのが涙です。人生に於いて貴重な水です。目から溢れると頬を伝って消えて行きます。これを水筒に入れて取って置きたいものです。苦し涙、うれし涙、悔し涙、涙にも色々あります。それこそ人生において大海程に泣いた場面もあったでしょう。コッソリ流した嬉しい涙もあったでしょう。それらはみんな心の水筒に入っていて貴方の人生を潤しています。涙は人生の慈雨です。その雨が知らず知らずのうちにあなたの人生を濡らしてくれているのです。だからあなたの人生が乾燥しなくてすんでいるのです。もし涙と言う雨が降らなければあなたの人生は砂漠のようでしょう。

あなたが愛する人を見て泣くということは、結果がどうであれあなたの感性を高めてくれます。あなたが意識しようがしまいが関係なく上昇させてくれます。人生は泣いてなんぼのものです。それはほぼ間違い無いでしょう。笑うのは泣くと言う行為と対です。泣くから笑えるのです。いつも笑っていては馬鹿です。そんな人生は有りません。人間生まれて第一声は「おぎゃー」とます。訳も無く泣きます。まあきっと訳はあるのでしょうけど、私には分かりません。何で泣くのか誰と泣くのかが、あなたの人生です。

無味乾燥な日常でぱさぱさだなと思ったら涙入りの水筒を取出し、掌に涙を受けて顔や身体を湿らせてください。そうモイスチャーです。直ぐに効果は出ないけど、あと一歩と言う時に効果が表れてきます。皆さんが寝ている間に、もう一人のあなたが飲んで癒されてるかもしれません。人生谷あり涙ありです。だから水筒がいるのです。首からぶら下げて歩いて行ってください。