京都の東京の女の子

作詞

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京都の東京の女の子

作詞   つばめのす

ホテルの出掛けの朝シャワー
体が薄ら寒い
連泊の身軽さに歩くもみじ街道鹿ヶ谷通

平氏の企み叡山の横槍
白川通りを行けば我が兄を助け給へ
陰謀に消される女人の情炎

帝が腹を減らし道喜が作りし粽
塀に沿って歩けば応仁の荒ぶ世の風
櫃に囲いし女の操東京に帰ればどうしようか

恋に破れ来てみたが
世のダークサイトの起こす事変の数々
見えない物を畏怖し噂に己の想像力の
なせる心中の妖怪に怯え畏縮する

権力を手中にした者が自分の影に
怯えるように 脳裏のレーダーに
浮かび上がる者を殺戮していく
臆病の種を潰していく

三条河原を血の海で染めた狂気の男
妾にしたもののまだ寝所に上がらぬ娘まで
一族として磔の竹矢来の中
公開中独裁者と一緒に見せられて
謀反の讒言に踊らされる

この世の闇は己が作り出す 無の恐怖を捏ねて
欲もプライドも捨て魂を千二百年の都の空に
遊ばせれば何も畏れるもの無い

岡崎疎水に佇む女の姿が
噴き上げる噴水に何を思う
平安の時も荒涼の時も時空を越え
荒ぶる魂を解き放て 詐満の呪術を打ち砕け
いつまで恐怖を植え付け従わせる積もり

人はあくせく働く 脅しの種である恐怖を手に入れるために
スポーツも芸能も宗教も金儲けも結局は人を脅すための手段

この作品の著作権は作詞者に帰属します

日常生活からの逃避

時に人は、一人になりたい時がある。日常生活から離れて自分を見つめ直したい、そこまで行かなくてもボーっとしていたい時がある。人はそんな時自然の中に出掛ける。でもそれは逆効果になる。自然の中に自分一人だから反って目立つ。それは自然が余りにも立派すぎて人が負けてしまうからだ。

木を隠すには、森に隠せと言う。それと同じで人を隠すには人を人混みに置けのセオリーである。女の一人旅は危険である、特に海外旅行は余程の覚悟が無いとしない方がいい。よく被害にあわれるニュースを目にする。決して他人事とは思わず慎重にしてください。その点京都は良い、人は沢山いるけど隠れるには持って来いだ。

ホテルに一人で泊まっていても違和感が無い。一人で見る観光スポットにも事欠かない、一週間居ても周りきれないだろう。それに一番いいのは、一人で食べられる美味しい店が数多くある。調べれば調べるほど、人に聞けば聞くほど出て来る。ちょっと曲がった路地にも素晴らしい居酒屋などが有ったりする。よく芸能人が京都に行くのは一つには顔が差さないからだと思われる。

一人で珈琲が飲みたいなと思えばすぐ近くに良い喫茶店が存在する。例えば堺町通三条に有るイノダコーヒー本店などは素晴らしい雰囲気で一人旅の女性を迎えてくれる。高倉健さんもよく一人で来られてたみたいです。うどんが食べたいなと思えば、出汁の効いたおうどん屋さんがたくさんあります。

私がよく行ったのが、権兵衛、権太呂さんなどです。焼き肉が食べたいなと思えば牛おおた、江畑さんなどへよく行きました。中華料理屋さんも沢山あります。パン屋さんも多く有ります。京都にパン屋さんが多いのは食べ物屋さんや観光客相手の商売屋さんが多いので直ぐに食べれるパンが好まれると言う説がある。冬になると南禅寺前の湯豆腐、夏になると鴨川の納涼床、足を延ばせば逢坂山のうなぎ屋かねよ、とても美味しいですよ。嵐山に行けば名店だらけです。

嵐山と言えば寺社仏閣がはずせません。京都は嵐山に限らずお寺だらけですけどね。天龍寺、醍醐寺、仁和寺、鹿苑寺金閣一日では周りきれません。龍安寺の石庭なども心が落ち着きます。天龍寺を抜けて竹林を散策すれば東京で有った嫌な事など一陣の風に吹き消されます。もう少し京都に居たいと思えてきます。

京都の凄み

京都の凄い所は、美味美食、寺社仏閣だけでなくそれらのものが日常の中に歴史がしれっと刻み込まれている所です。町を歩けばそこかしこに当時のまま佇んでいる。鹿ヶ谷の陰謀、観応の擾乱、応仁の乱、本能寺の変、鳥羽伏見の戦いなど数知れない血塗られた歴史が刻まれている。

黒谷の金戒光明寺に数多くの会津藩士が弔われているのは、1862年に会津藩主松平容保が京都守護職に就任したため藩士1000人ほどが光明寺の境内に常駐した名残である。当時の京都は治安が乱れていて会津藩士だけではとても対応できないので新撰組を結成して配下におき治安に当らせた。歴史好きの女子にたまらないだろう。祇園、岡崎、黒谷、吉田山と続く歴史の特異点達少し東にずれると東山の別荘地、日本の歴代のそうそうたる顔ぶれが軒を連ねる。現代では日本で一番有名なアイドルで有った人が岡崎の地に平穏を求めるのはそれなりの理由があるのだろう。

歴史ある建物がそこかしこに有り、素晴らしい空間と時間を保持ししかもそのすぐ側が紛れもない都会であり歓楽街さえ有るというロケーション。恋に破れた女一人など訳もなく吞み込んでしまうでしょう。芸能人達が隠れたがるのも無理はない。京都の五花街である祇園甲部、祇園東、先斗町、上七軒、宮川町のシステムは歴史の襞が念入りに塗り込んだのでしょう、舞妓の首筋のように。

 

 

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