ラブ リンス

作詞

Contents

愛の灌ぎ

labyrinthでは有りません。love rinseです。ラビリンスは迷宮、ラブリンスは愛の灌ぎ。
あなたの愛は頭上から髪を伝って肩に降りてくる。優しく背中を抱くように腰を離れないように強制し太股を滴り足指に抜けていく。

あなたの通り過ぎた後、身体中の力が抜けていくの。あなたの灌ぐ愛はラブリンス。

この頃友達に言われるの、「あなたの髪艶ってるね」って。私は笑うだけ、だって秘密を教えたら消えていきそうだから。

愛の前にも愛の後にもあなたの匂いがする。天然由来の芳しい香り。

ドゥラ

私の名はドゥラ、異国から来た。母親に売られてブローカーの男に、この料亭に連れて来られた。一枚の契約書にいい加減なことを書かれ、マダムにパスポートも取り上げられた。勿論ビザなんて始めから無い。

料亭でお酒を飲む男達の相手をさせられる。宴会は十時半頃に終わる。料亭の裏はスナックに続く扉が有り、飲み足りない客を連れて行く。少しいてそのまま客と何処かへ行く娘もいる。ドゥラはそこまではしなかった。店を終わると寮みたいなアパートに帰る。そこで夜食を食べて後は眠るだけ。そんな生活が十年も続いた。

母親は娘を売った金で地下に小さなカラオケバーを作ったらしい。上手く行けば良いけど又ろくでもない男に引っ掛かるんじゃないかしら。

女が歩く道なんて行き先なんて決まっていない。横を歩く男によって決まる。一人で歩いて行けるなんてよっぽど変わった女、我が強すぎる。身分に階層が有るのなら、今自分は何処にいて下の階層に降りていくのか。それとも上の階へ登っていくのかそれすら分からないだろうな。

そんなドゥラに一人の男が現れた。別に好きでも無かったけど、優しかったから側にいた。お金も適当にくれた。男の方はドゥラの事が好きだった。今まで愛情なんて貰ったことの無いドゥラに男の愛を受け取る方法が分からなかった。お金なら只貰って使ってしまえば良かった。でも愛の場合手のひらでもて余すばかりだった。

五年が過ぎた頃、男の事業が傾きだしてきた。男の優しさはドゥラに幾ばくかの金子を渡し離れていった。ドゥラは途方に暮れたけど生きていくしか無かった。又別の男を探して生きていく。男と女の出会いなんてマクロに見れば大したことじゃない。愛は生きていく術、無意識の内に相手を選り分けて行く。愛は特別とわざと自分に誤解させ相手と結び付ける。

自分の考えが、安全の範疇にすべての入っていれば人生は全うできるだろう。世界を見れば自分の意志とは関係無く危険な立場に引っ張られていく人などかなりいる。中東の戦火にまみれた地域では、何の名目もなく只勝利の為だけに戦わなければならない人達がいる。

 

反体制側の兵士が追い詰められて、死んでいく。瓦礫の中から彼らにすがりついて生きて来た女子供達が三十人程、体制側の兵士に促されて出てくる。怯える訳でもなくただ呆然と立ち尽くす。黒いニカーブを着たおんなたちの中に一人だけヒジャブを被り胸に布でくるんだ赤ん坊を抱えた女がいた。体制側のカメラマンが写した写真に目が異様に輝いていた。それが最後の瞬間だった。そこにいた三十人程の女子供たちと体制側の兵士が二三人吹き飛ばされて死んでいった。胸に抱えていたのは、やりきれない思いと爆弾だった。

世の中の愛や安全から外された人達にも当然恵まれなければならない愛がある。それを灌ぐはずの宗教さえ見放し自爆しなければならないほど追い込み帰ることも許さない現実。国家や宗教がなし得なかった施しを愛の灌ぎを与えてやれる男がいたら、女も愛する者と分かれなければならない自爆スイッチなど押さなくてもよかったはず。

生きている人全てに愛の灌ぎが有るように祈ります。生きていく道のどこがで浴びれるように祈ります。愛のシェルターから弾き出されたドゥラのような女でも生きていく内に誰かに守られて行けるようになれば良いのに。それか自分で掴み取って行ければ尚良いのに。

あなたも浴びてください。髪を洗うように頭からあなたの愛する人のラブ リンスを。

 

ラブ リンス

作詞 つばめのす

あなたがくれた
天然の ラブ リンス
ほのかな 甘い匂いがする
これを 使う度に
髪も心も 揺れて 濡れていく

あなたの色に 染められて
登って行く階段
霞みがかった 瞳の向こうに
あなたの後ろ姿が 映っている
目が覚めても 消えないで

あなたにもらった ラブ リンス
夢の中で 使いましょう
減っていくのが 嫌だから
あなたがくれたラブ リンス
永久の愛に 染められて
甘いワインで ゆすぎましょう

 

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