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流紋岩
日本は火の国、火山の国、何処へ行ってもカルデラの丸い輪の地形がみられる。北海道は噴火湾、室蘭の港、摩周湖、洞爺湖、大雪、支笏のカルデラ。
東北に移って,宇曽利、野平、八甲田、奥入瀬、田沢、のカルデラ数えればもっとある。関東に入って、塩原、榛名、箱根と続く。中部地方に立山、妙高、御嶽、伊豆大島の伊豆諸島、小笠原諸島。
近畿に入って赤穂、熊野のカルデラ、熊野の其れは一説では日本最大とも言われている。カルデラの底が沈下し巨大な岩盤が地下深くで静かに冷え固まり岩塊となりそれが隆起して、今の熊野の山々になった言われている。
中国地方には、三瓶,大山と並ぶ。九州地方は火山の銀座、阿蘇、姶良,喜界の巨大カルデラがそうそうと並ぶ。日本は火山ベルトの上に成り立つ火の国。火山の周りは温泉群が出現する。火山による観光資源、湯治客の逗留、物凄く恩恵に浴している。
有史以来、人類は火山の側で暮らしてきたと言っても過言ではない。その所為で火山による悲劇も有るが、恩恵も多く受けている。それは色んな形となって現れてくる。人智を超えて素晴らしく、後でよく見ると感心させられる。
マグマが冷え固まって岩になる。それを火成岩と言う。地下深部で冷え固まったものが花崗岩と言う。御影石とも言い各種石材に使われている。成分から脆く風化に弱い。一方火口から吹き出て急に固まったものが流紋岩である。風化浸食に強く、丘陵地や崖として残り易い。
有田焼
佐賀県の有田地方では、江戸時代の初期に渡来した李参平によって良質の陶石が発見された。また近くの川床は非常に硬い流紋岩で覆われていた。そこで陶石を砕いた。
良質の陶土が発見されたので、陶工たちが移り住んできた。その一人である酒井田円西は磁器を作った。息子の喜右衛門は十七世紀始めになって赤絵磁器の作成に成功した。それで喜右衛門は柿右衛門と名乗る様になったと言われている。伊万里の港から京都や江戸に送られた。禁裏や幕府に献上することで名を挙げて行った。伊万里焼と言われる所以はその辺にある。そこから世界に飛び立っていく。
出羽の天狗
時代を少し下がると、出羽の国庄内、今の山形県酒田市の富豪「新潟屋」、本間家に宗久がうまれる。三男だったので長男の光寿が後を継いだ。光寿は何故か数年で引退した。そして息子の光丘を後継者と決め、その修行として播州姫路の「奈良屋」に奉公に出した。その間、仮の主として叔父の宗久が務めた。すると持って生まれた商才というか博才で酒田の米相場で大儲けし本間家身代を増大させた。そうこうするうちに、奉公に出ていた光丘が帰って来た。光丘はそんな宗久の儲けた金が気に入らず公共に寄付して防風林を作ったりした。そして宗久は店を追い出されてしまう。
江戸に出た宗久は、腕に覚えのある米相場に手を出すが失敗して破産してしまう。一度故郷に戻って体勢を立て直して大坂に出る。当時の大坂の米相場は江戸のそれを凌ぐ規模だった。宗久は江戸の失敗を教訓に大勝負に出る。出羽の天狗と言われるほどの成功を収める。
その資本を持って酒田に帰るが、やはり光丘とは上手く行かず江戸へ再びでる。こんどは米相場で大成功を納める。その頃やっと光丘と和解し,酒田の現物米を江戸で捌き先物取引と両方で巨万の富を得た。自分の運も有ったろうが、酒田には幕府の天領地が有りかなりの石高の米が生産されていた。幕府はその米を少しでも高く早く売るために航路の開拓を河村瑞賢に命じていた。そんな時勢も味方したのだろう。
酒田の富豪である新潟屋の本間家は相模の出で、佐渡に渡り新潟と酒田に分かれた。港を中心に商業をして金を貸したりして利益を上げ、周りの土地を買い占め大地主になって行った。地図を見ても分かるように酒田の海岸線はとても良港と言えない。季節の良いときはいいけど、冬の日本海は風が強くてとても港に入れない。酒田市の北西三十九キロの所に浮かぶゴマ粒のような島が有った。その南端がちょうど港を抱えるようにしゃくれていて、その北西を守るように流紋岩で出来た屏風のような断崖が有った。冬の季節風を遮ってくれ風待ちにも潮待ちにも適していた。
その島の名前は飛島、それと佐渡島、粟島、飛島が一直線に並び、風待ちや水食糧の補給に適していた。日本海航路の肝を握り、日本一の大地主にまでなり大名貸も行い、「本間様には及びもつかぬが、せめてなりたや殿様に」と唄に歌われるほどになった。飛島の流紋岩の屏風が本間家を引き立てたのは間違いの無いところだろう。
紋流岩
作詞 つばめのす
流紋岩 流紋岩
Thank you ,I appreciate 流紋岩
白磁に溢れた岩石を砕いて
器を作って夢を入れた
1300℃の窯に託して焼き上げた
Thank you ,I appreciate 流紋岩
伊万里の港から江戸へ世界へ
柿右衛門も夢を見た
赤く燃える情熱を込め登り窯
Thank you ,I appreciate 流紋岩
硬い白磁の陶石を流紋岩に
載せて力を込めて砕く
宗久が読んだ米相場
大儲けの米俵 北前船に宝船
冬の日本海 風が吹いて
酒田の港に入れない
Thank you ,I appreciate 流紋岩
飛島の港に入り風待ちあの娘の
腕の中 流紋岩の屏風が隠してくれる
Thank you ,I appreciate 流紋岩
お陰で日本一の大地主
ろうそく足の上髭に火を灯し
朝まで踊ろう
流紋岩 流紋岩
Thank you ,I appreciate 流紋岩
流紋岩 流紋岩
Thank you ,I appreciate 流紋岩
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