作詞

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刺とファッション

美しいものには刺がある。刺とは先の尖った触ると痛いもの。大抵の本にはそう書いて有るだけ、でも刺される方はそうはいかない。
美しいものだけではない、見るだけで痛い有刺鉄線、ハリネズミ、茨触りたくもない。でも言葉にも刺は有る、とくに愛する異性の冷たい一言、身体中の血が凍っていく。ギリシャ神話のメドゥーサのように身体を石に変えていく。

身体に刺さった刺は、抜いたり自然に落ちればその後は痛くない。でも心に刺さった刺は違ういつまでも残る。

話は変わりますが、息子はねじ屋で働いています。真鍮の棒を削ってネジにするのですが、削るときに長さ2ミリ位細さは髪の毛よりも細い削り粉が出ます。それが服に付いて家に持って帰るんです。それがリビング何かに落ちていると、知らない間に刺さります。目では見えにくいですけど、手で触るとチクッとします。拡大鏡で見ながら毛抜きで取ります。旋盤加工の御家庭ではあるある話じゃないでしょうか。

足の裏の刺は、老眼の者には辛いです。目を近付けると見えるんですが、今度は身体が曲がらないんです。老眼鏡では遠すぎて、肉眼では近付けない物凄くジレンマです。スマホも一緒です。老眼鏡には限界があってある以上の小さな文字は眼鏡を外して肉眼で見るんですが、端から見たら不細工でしょうね。指で擦らないで目で擦ってるように見えるんじゃないですか。

心の刺は中々しぶといです。身体中を巡り、神経の中まで到達します。そうなると厄介です。わたしの経験から行くと、年数が経つしかないですね。大体もう大丈夫と成るには、10年かかります。10年経つとまあびくともしなくなります。一番早いのは別の異性に抜いて貰うのがいいのですが、拗らすと刺が二本刺さったまんまになる可能性も有ります。

足の小指に刺さった小さな刺一つで、どんな大男でも動きが鈍ります。と言っていつも鉄の靴を履いて居るわけには成りません。安全靴を履いてデートもないでしょ。いつも手袋をして居るわけにはいかないでしょう。手袋をした手で貴女の柔らかい髪を撫でるのですか。そんなわけはありません。

心も一緒です。心をアルマジロみたいに硬い鎧で覆うんですか。それは駄目でしょう。多少自分が傷付いても、生身の心で相手に接しないと感動は生まれません。お金も一緒です。お金を纏いすぎると鎧になってしまいます。誰もお金の鎧を指すって愛を語りたくないでしょ。商売人以外は。

そこに程々の価値があるんです。何億の時計を腕にはめたって、両手に嵌めたって効果は知れています。その人の腕に有った値打ちの洒落た時計をさりげなくはめている方が、遥かにあなたを引き立てます。ファッションなんてそんなものです。あくまでも主体はあなたの心と身体です。それに似合うやつを探して、アクティブに動いている方が遥かに綺麗です。

刺が刺さっても、また心新たに挑戦して次の恋に行ってください。刺されば抜けば良いから。

ファッションも同じです、自分には難しいかな、合わないかなと思うようなものでも挑戦してください。

ファッションなんてある種の憧れなんだから、何処かのスーツみたいに不細工な今の自分のサイズに合わして服を選ぶなんてあり得ないです。胴回りが多少きつくても、格好付けてお腹をへこまして着るのがファッションです。ファッションをそんなだるさで語らないで欲しいです。

若い女の子なんて、憧れの顔やスタイルを目指して我が身を切り刻んでも近付こうするのに。そんな安易に自分サイズに合わしてものを選ぶなんてあり得ません。女の子ならワンサイズ小さい服を見栄でも何でもなくて着たいと思うものです。ハイジャンパーなら次は一センチでも高くバーを上げて挑戦するように。

カラオケだって、あの憧れの歌手に近付きたいと一つでも#を上げるのに、お仕着せの工場で大量生産したセンスの無い服を着せられたって、チャップリンの映画じゃあるまいしファッションを嘗め過ぎています。芸術をしょうむない全能感で引き下げないで欲しい。数少ないデザインから選べなんて尊大過ぎます。

カラオケならこの曲はあなたには難しいから♭5で歌いなさいと、鼻から言われているみたいなものです。何が面白い何が楽しいかと言う話です。ちょっと怒ってしまいましたが、若者の挑戦力を削がないで欲しいです。

刺を抜く方法に、時が過ぎるのを待つと言う方法が有ります。この時間を素敵な時計を嵌めて過ごすと言うのも良いでしょう。またこの時が、新しい素敵な出会いを呼んでくれるかも知れません。


   刺

作詞 つばめのす

刺一つで
風邪一つで人は動けなくなる
そんな 脆いロボット
あなたの冷たい一言で
全身が フリーズしてしまう

重い身体を 非常用電源で
暗い夜道を引き摺って行く

やっと 辿り着いた俺の部屋
鍵を開ける力も残っていない
そこで 崩れ落ちる 眠る
翌朝何とか部屋に転がり込む

大都会の隅っこの部屋
空っぽの 冷蔵庫
食べるものは 何もない
今日まで どうして生きてこれたの

取り敢えず今日は一日動かない
心のプラグを コンセントに繋いで寝る

明日の朝 再起動してくれたら
しめたもの
その足で 友達の家へ行こう
そこで 飯を食わせてもらって
バイトに 行こう

そのうち あなたの刺したトゲも
消えてるだろう
あなたに取って 何の価値も
興味もない俺
あなたはいるのに ときめかない世界

 

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